ギャンブル依存治療のNPO法人「ワンデーポート」について

ギャンブル依存症の自助グループとしてギャンブラーズ・アノニマス(通称:GA)が広く知られており、こちらでも数多く取り上げてきました。(詳しくはこちら⇒ご本人とご家族のケア—依存症ケア団体
間違えないでいただきたいのは、GAはNPO法人ではなく自助グループです。
ボランティアのような感じです。

では、NPO法人とは何が違うのでしょうか?

NPO法人って?

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NPOとは「Non Profit Organization」の略で、非営利団体という意味で一般的に通っています。
ここで誤解を生みやすいのが、NPOはボランティアなのか?ということです。
それは違うのです。NPO=非営利な団体ではないと言うことです。
NPOは非営利団体がだとしても、団体を運営している以上、経費はかかります。そこでNPOは事業により収入を得ています。
一般の営利企業のような利益追求型ではありませんが、事業活動を通じて利益を生んでいるわけです。
ちなみにNPOは法人格が与えられ、普通に法人税が課せられています。この点でもボランティア団体とは違います。

また、営利企業とNPOの違いは、事業で得られた収益を社員や株主で分配していない点です。
事業で得た利益は今後の事業にあてなければならないので、分配することはしません。
ここが両者の大きな違いです。

ポイントはここだけです。営利企業とNPOの違いは、社員や株主に対する利益の分配があるかないかだけが違うのです。

そして、本題に移ります。
ギャンブル依存症の治療の分野にも様々なNPO法人があるのです。
その中でも有名なのが「ワンデーポート」です。

パチンコ依存症治療のNPO法人の活動内容

認定NPO法人ワンデーポートは横浜市瀬谷区に所在地をおいており、国内で唯一入寮受付を実施しているギャンブル依存専門の回復施設となっております。
むしろ、ワンデーポートは入寮制なため、治すためには寮に入って生活しなければなりません。
もちろん外出は出来ます。そして、生活費は実費です。寮はファミリータイプのアパートで生活することになり、一つの部屋を3人で使います。(もちろん、それぞれは個室です。)

気になる費用などは下に大体のを載せておきます。
HPによると、食費込みで1ヶ月で19万円ほどのようです。

【利用費の内訳】
■入所金(利用開始時のみ)
32,400円(消費税込み)

■入寮費(寮費)
1ヶ月/50,000円

■プログラム利用費
1ヶ月/54,000円(消費税込み)

■食費
実費

【プログラムについて】
プログラムは2種類。

〈基礎プログラム〉
3ヶ月間の基礎プログラムを経験します(基礎プログラムだけの利用も可)。
メニューは個別面接、グループセラピー、レクレーション、ボランティア活動など。
なお、この期間中は仕事はできません。

※ワンデーポートはギャンブラーズ・アノニマス(GA)のミーティングとも連携していますが、GAのミーティングについては、かならず参加しなければならないわけではありません。

〈就労プログラム〉
基礎プログラムの3ヶ月の後は就労プログラムに移行していきます。
つまり入寮生活をしながら、仕事を自分で探し就労してもらうのです。
なかには資格取得のための勉強や、学校に通う方もいます。
また、障害者雇用を希望される方は就労支援を受けることも可能です。

入寮期間は基礎プログラムと就労プログラムで1年間という方が多く、希望によって最長2年まで延長できます。

本当にパチンコ依存症は治るか

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回復施設はどこも同じだと思っています。
しかし、ワンデーポートの場合は本気でパチンコをやめる気持ちがないと厳しいと思います。
入寮制ですし、時間もかかります。自由とはいえ、パチンコ依存症の回復に向けてすべてを捧げる覚悟が必要でしょう。
仕事をされている方は、その間休む、もしくは辞めるといった判断をせざるを得ないでしょう。

そこまでしないと止めれないかたは参加したほうが良いでしょう。
そしてそれを乗り越えたら簡単にパチンコ依存症者に戻るわけにはいかなくなるのではないでしょうか。
良い意味でも悪い意味でも日常と離れなければなりませんから。

債務整理などを検討しているかたも、ワンデーポートに入りながら進めることが可能なので、その間にいろいろと考えることができるでしょう。

行政をはじめ民間のNPOなどが無料の相談窓口を設けていますので、ご検討される方は一度相談してみてはいかがでしょうか。